自称リケジョの浦島難民

気がついたら高校二年生です

眼帯少女  Ⅰ あたしの秘密

はぁ はぁ

もうどのくらい走ったんだろう

あたりはもう真っ暗で

周りには街灯もない

明かりは腕に光る腕時計だけ

さっきから雨も降り始めた

「や・・ばい・・・・。もう・・げんか・・い。」

あたしの体力も限界

その時

頭にあの言葉がよぎった

「あいつキモイよねw」

あたしに突然吐き気が襲ってきた

「うっっ!」

脳内に罵声が飛んでいる

「やめ・・て」

そう思いながら

泣きながら走り続けた

何かしたら罵声がやむかもしれない

そう思い走り続ける

しかし

「出てけ!」

だめだ

罵声がやまない

「もう・・や・だ」

あたしは走るのをやめた

顔からはいくつもの涙が流れ落ち

放心状態になっていた

地面に膝まづき

手で顔を覆っていた

もう、何もかもあきらめた

「怖い」

そう思うといっそう怖くなる

「×ねよ」

その言葉が脳内をよぎった瞬間

バタッ



あたしは倒れた

あたりは雨の降る音しかしない

「このまま・・・・死ぬのかな?」



・・あ、

人の気配がする

結構近いな

でももうだめ

声も出ないし体に力が入らない

「でも」

あたしは気を失うその瞬間まで

あの言葉を語り続けた

「助けて」




・・・・・・・・Ⅰ  あたしの秘密 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もうどのくらい眠っていたんだろう
なんとなくだけど
あたしは生き続けている
それだけは分かった
「・・良かった」

その前にここはどこなんだろう
そう思いゆっくり目を開けてみると
木目の壁に数枚の写真
付きっぱなしのテレビ
飲みかけのコーヒー
限られた視界の中
見えたのは一部だけだったけど
人が住んでいることは間違いなかった
耳を澄ませると男と女の人の声が聞こえる
倒れているあたしを連れてきてくれたのかな?
もしかしてあの時の気配はここの人たちの気配か。
とりあえず、この人たちがあたしを助けてくれたのは違いない
まだ所々体が痛むが体をゆっくり起こそうとした

その時
「あーーーっ!まだ起きんでええよ!」
耳元で若い女の人の声がした
起きないでいいと言われたけど
あまりにも声が大きいからあたしは飛び上がった

女の人はあまりにもあたしが飛び上がったものだから
すごくびっくりしている
まぁそうだろう
昔からビビりすぎるから人より何倍も驚く頻度が高い
もう直したいんだよな
いい加減
今なんかベットの上で気を付けの姿勢してる・・
「あ、あの」
とりあえずお礼した方がいいと思ったから
喋ろうとした
まぁいままで箱入り娘だったしニートだったし
口から全く言葉が出てこないんだけどね

「起きたかー?」
なんか、人が入ってきた
すっごいKYな感じで来た
若くてチャライんだけどこの人
「んー、あ、起きたんだ」
なんかこの人凄いダルそう
なんだろう、すっごくウザイ
今すぐ蹴りを入れたい
「ヒロ、この子瞬発力なめたらあかんよ。」
このうざいのは博っていうのかな?
てか顔から汗がだらだら来てんですけどこの女性の方
あと、恐ろしいもの見たみたいな顔やめてもらいますかね
「それはあとでねアイ。」
あー、アイっていうんだ。この面白い人
そういうとヒロらしい人が近寄ってきたんですけど
「君大丈夫?昨日森で倒れてたんだよ」
やっぱこの人たちが助けてくれたんだ
「あ、あの。ありがとうございます」
とりあえずお礼した
たぶん、あたしの顔は引きつってんだろうな
うん
「どういたしまして」
あれ、結構普通に返してきた

そうしたら、ヒロって人が言ってきた
「んーと、君名前は?」
なんか、名前聞かれたんですけど
すっごく興味津々な顔なんすけどこの方達
前のめりになってるわ
でも、やっぱ名前は言った方がいい
あたしは、 たぶん凄い顔で言ったんだろうな
「萩野志乃です。」



「えー、志乃ちゃんっていうんや。可愛いね」
アイらしき人が言ってきた
あの、お世辞はやめていただきたいんですけど。
いかにも自分の方が上みたいな感じでいってますし。
「あぁ、うち花野藍。よろしく!」
なんかドヤ顔してるこの人
「ヒロも自己紹介しな!」
うわー、思いっきり頭叩いているよ藍さん
てかヒロさん笑ってるわ。ドMだなこの人
「俺、蒼木宏。よろしく!」
本人は
「よっし!決まった!」
って思ってるんだろうけど決まってないっすからうん
「あと、2人おるんよ。呼ぶからまっとき!」
そいういうと藍さんそのまま部屋出て行った。
なんかもう疲れた・・

「お待たせー!呼んできたよ!」
そう言ってはいってきたのは藍さんと若い男女
「あー、気がついたね。」
若い女の人が言う
「あたし、黒川華。よろしくね」
華さんはきっすいの美人だ
あたしと正反対
でも、裏があんなこの人
あたしと同類だ
「僕、木慈十里。よろしくね」
十里さんはどっちかっていうと
天然系の人だな
「ねぇ、志乃ちゃん」
「は、はい」
「志乃ちゃんはなんで倒れてたの?」
華さんが質問してきた
まぁ、たいてい助けた人から見れば
その質問を真っ先にするだろう
気が付いてから30秒じゃ
頭がまだ働いてないから説明しても
分からないと思う
人と話さないから無駄に
説明する力がない
そのおかげで国語の成績はいつも2だった
というのも、国語の前の授業はなぜか寝てしまうため
頭が働かないのだ
しかし、あたしは起きて1分たつと
頭の回転がピークに到達する
今起きて約5分
頭はフルスピードで回転していた
ちょっと理不尽だなって
もう1000回くらい思ってるよね
そんな毒吐いてんなら早く訳を言え
って言ってくる自分がいるため
あたしはこれまでのことを話し始めた


名前は萩野志乃
年は14
母と兄と三人で暮らしていた
父はいない
離婚して出て行った
その離婚した原因はあたしだった

昔から右目の視力が悪く
右目だけコンタクトをしていた

10歳の時
不運にも交通事故にあい
右目の視力を失った
幸い残った左目の視力は良かったため
それ以来、右目には眼帯をつけ生活した

しかし、そこからいじめが始まった
初めは冷やかしくらいで済んだ
でも中学に入るといじめは悪化し
精神的にも限界だった
そこで夫婦喧嘩が起こり
離婚に至った

まだそれまでなら頑張れた
でも・・・

ある日、いつものようにいじめをされていた
最近では凶器で傷つけられそうになったりしていた
「あんた、キモいんだよ。その眼帯とか」
いじめっ子の一人が言ってきた
「事故にあったからだけど」
得意のにらみを利かせ言い放った
「事故にあうとかザコッw」
いじめっ子たちは大声で笑った
「あんたら、つまんない人間だね」
そういうと
「てめぇうっせーんだよ。」
顔に殺気が浮かぶ
「あー、そうだ!眼帯とっちゃえばいいんじゃない?!」
ひとりが言った
「いいね!賛成!」
次々と声をあげる
あたしの心臓は
さっきより鼓動が速くなった
怖くはない
だが、逃げたい気持ちがあった
なぜだ
「よしっ!これからあんたの眼帯取ってあげる♡」
その言葉を聞いた瞬間
あたしは一目散に逃げ出した
さっきまでは全然怖くなかったのに
急に何かに襲われる感覚に陥った
走った
だただた走った
逃げた先は行き止まりだった
「見−つけた。」
背後に寒気を覚えた
「ダメジャン逃げちゃ」
腕をつかまれた
「あそぼーよ♡」
髪の毛をつかまれた
「さぁ」
この日
「やろーぜ」
生きる希望を失った




なぜかわからない
あたしの右目を見たものは
次々に死んでいった






・・・・・・・・・・・・・・Ⅰ  あたしの秘密  END・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・