殺し屋ですが        新島 蒼

 

 

ーーーニュース速報です。今日、○○市の廃工場で男子生徒の遺体が発見されました。

男子生徒は・・・・・  ------------------

 

 

 

・・・・・ 一章  新島 蒼 ・・・・・・・・

 

「うわぁ、やばい。もう12時じゃん。」

俺、新島蒼は現在進行形で走っている。

ちなみに男ではない。立派な女子高校生だ。

さっきまでクラスメイトとカラオケやゲーセンに行っていた俺は、ある「事情」のせいで戦線離脱し、ある「場所」へと走っていた。

 

「なぁ、新島。どこまで走るんだよ。」

この声の主はクラスメイトの春井徹。

「えーっと、もう少し。ほら、あの建物。」

俺が指をさしたところはある廃工場だった。

 

「あ、あれって、この前殺人あったよな?」

春井は怯えながら言った。

「そうだったっけ?まぁいいんじゃない。別に幽霊とかは出ないだろうし。」

「そういう問題か?」

春井は怯えながらも少し余裕を持ちながら俺に呆れたような口調で言った。

 

まぁいい。もう少しでここにきた本当の目的を知ることになるんだから。

 

 

「おい、マジで入るのかよ。」

「あったりまえでしょ?何しに来たと思ってんの?」

「俺、お前の目的しらねーよ!?こんなとこに何しに来た・・」

 

ジャキン

 

「・・・・え?」

俺は春井に拳銃を向けた。

「ふふ・・・、悪いね。」

俺は満面の笑みを浮かべながら言った。

「え?ちょっと待て。何をするんっだよ・・・・・。」

春井は少しづつ後ずさりをする。

「あっれー?俺言ってなかったっけ?俺こう見えてプロの殺し屋なんだよ?今まで100人以上殺してるし。」

ポーチからサバイバルナイフも取り出し、春井に近づく。

「や・・やめ・・・ろ。やめろぉ!!!」

春井は廃工場の出口へと走った。

「あはははははははははははははははははははは!!!!逃げれると思ってんの?」

すぐさま春井を追いかける。

体力には自信がある。1分もしないうちに春井との差は100mから5mに縮まった。

拳銃をもう一度春井に向け、春井の足めがけ撃った。

 

パァァン

 

春井の右足と足元は血で真っ赤に染まっていた。

「や・・・・・め・・・・て・・く・・れ」

春井は泣きながら足を抑えている。

すごく苦しそう

その表情が

俺にはたまらなかった

 

「殺し屋でも殺し方は人それぞれでねー、拳銃で一発で殺す人もいれば、俺みたいにじわじわ苦しませて殺す人もいるんだー。」

拳銃を投げ捨て、今度はサバイバルナイフを向けた。

「一発で殺すより、じわじわ苦しませて殺す方が良いんだよね。」

春井の前に立ち、髪の毛をつかむ。

頬を切る。

ツゥーっと血が垂れる。

胸がゾクゾクする

さらに春井は苦しそうな顔をする

「あぁぁぁぁ!!良いね!!その顔!!写真撮らせてよ!!」

自分のスマホを取り出す

 

パシャ

 

「おおぉぉ!!上出来だよ!!ありがとう!!」

変な奴と思われているだろうが、今はそんなこと関係なかった。

 

「あぁ、そうだ。俺の目的言ってなかったね!!」

春井の首にナイフを当てる。

 

「俺の目標はね」

 

「人をたっくさん殺して助けるんだよ」

 

血があたり一面に飛び散り、血の海となった。